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[32]テクノスーパーライナー(TSL−F)船体構造用高強度ステンレス鋼のキャビテーション・エロージョン特性試験

松尾元敬、伊藤久(NKK)、水田明能、杉本広憲(川崎重工)、友野裕(日立造船)、柴崎公太(NKK)
磁歪振動法と高速流体試験法によりTSL−F没水部構造用高強度ステンレス鋼のキャビテーション・エロージョン性を調べた結果、これらが析出硬化型高強度ステンレス綱やSUS304とほぼ同等の耐性を有することがわかった。また、実船TSL−Fレベルでのキャビテーション・エロージョン量の推定を試みた。

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[33]クレーン船の上部構造物の波浪応答

信用寿、高木幹雄、北村充、周国強(広大)、東村正義(深田サルベージ)
吊荷3600トン型のクレーン船が吊荷状態で波浪中を航行するとき、クレーン構造物の弾性変形が台船の船体連動に影響を及ぼす両者の相互干渉を考慮したクレーン構造物の波浪応答および吊荷に働く動的荷重を解析し、実機の1/100縮尺による向波規則波中での模型実験結果と比較した。実機においてクレーン構造物を剛体および弾性体として取り扱った場合の台船の運動を比較した結果、波長が船の長さの半分程度ではその相違は小さいが、波長が船の長さ以上になれば顕著になることを示した。また吊荷の動的荷重は、クレーン構造物の弾性変形を考慮すれば、剛体として取り扱った場合より小さくなり、波高2m、波高が船長の1.5倍の向波状態ψ=0度で吊荷の約5%に達することを示した。

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[34]超大型浮体の構造挙動および構造設計に関する考察− その2:引性変形を考慮した復原性及び構造応答の設計−

鈴木英之、吉田宏一郎(東大)
超大型浮体を弾性交床上の異方性板にモデル化した上で、弾性応答の固有振動数の存在範囲がヒーブの固有振動数より高くなることを示した。浮体構造が波に共振する場合、応答のビーク高さは波周波数に逆比例し、さらに、波力による空間的加振パターンと励起されるモード形状の内積に支配されることを示した。また、浮体の端部の応答特性を変えて過剰な応答を改善する浮体形式の提案を行った。さらに、弾性変形を考慮した超大型浮体の復原性について検討した。浮体端部に集中荷重を受ける場合に浮体に生じる変位は同じ荷重を浮体中央に加えた場合のほぼ4倍になることを示した。

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[35]一次元有限要素モデルによる超大型浮体の波浪中構造応答解析

藤久保昌彦、矢尾哲也(広大)、笈田弘紀(広大大学院)
ポンツーン型超大型浮体を弾性基礎上の梁と見なして波浪中構造応答を解析し、端部質量、浮体副性、および浮体通過時の波力の減衰が構造応答に及ぼす影響を詞べた。解法には、弾性基礎上の梁の振動方程式の厳密解を変位関数とする梁有限要素を用いた。そして、浮体増の応答を低減する上で端部質量の軽減と浮体剛性の増加が有効であること、共振時の端部応答に対する波力の減衰の影響が小さいことを明らかにした。

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